Zendesk導入事例インタビュー
神戸フランツ(フランツ株式会社) EC事業部責任者 中林慎太郎 様
洋菓子店の強豪がひしめく神戸を拠点とし、「魔法の壷プリン」で有名な神戸フランツを運営するフランツ株式会社。実店舗は7店舗、ネットショップは12店舗も同時に運営されている。 今回、そんなフランツ株式会社でEC事業部責任者を務める中林様に、Zendesk導入について、きっかけからサービスの魅力までご自身の先進的な思想とともにうかがった。
フランツ株式会社 EC事業部責任者 中林様(右)
株式会社エクレクト 辻本(左)
ずっと求めていた仕組みが、実はあった。 – Zendeskとの出会い
- Zendeskとの出会いについて教えてください。
中林様:初めてエクレクトさんとミーティングというか雑談と言ったほうが良いのか、、、その時が本当の出会いですかね。実は、3年くらい前からZendeskのサービス自体は知っていました。 ただ、日本のEC業界独特のニーズに合わせてローカライズされていないと導入するのはやっぱり難しい・・・。使うのは現場のメンバーですし、いくら良さそうな仕組みでも使い始めるイメージが当初は湧かなくて、自分の中の選択肢からは一度排除しているんです。だから、久しぶりに話を聞いたのが前述のエクレクトさんとのミーティングのときですね。
- ミーティングではどのような話をされたのですか?
中林様:僕は以前から、「受注情報、顧客情報、お問い合わせの履歴など、お客様とのコミュニケーションの全てを一元的に管理していく必要がある。」ということをずっと提唱していて。じゃないと「お客様の本来の声が見えないし、把握できない。」っていう話を色んなところでしていたんですね。多分、5年ぐらい前からずっと考えていて、それを早くやらないといけないという焦りもあった。でも現状、それを可能にする仕組みって世の中にまだ無いんじゃないか?というような話を、エクレクトさんとのミーティングの中でもしていたら、「絶対Zendeskを使うべきだ。」っていう話になって。「こういう感じで、こういうことができる仕組みが欲しいんだけど。」って伝えると、「もうあるよ。」みたいな流れですね。 (笑
中林様:一元的に情報を管理するということは重要なんだけど、実は僕自身があまり「一元管理」と言われている仕組みが好きじゃないんですね。一つのサービスで全ての業務においてこちらが求めるレベルのことを実現するのは不可能だと思っているので。
- それは何故?
中林様:プロフェッショナルなサービスはプロフェッショナルにしか提供できない。中途半端にある程度広く何でもできそうな仕組みを選択すると、数年経ったときに業務が回らないことに気づく。例えば、受注管理は問題なく回っていたけれど在庫管理に関しては思うようにいかないとか。要は、そのシステムを提供している会社は、受注に関してはノウハウが高かったけれど在庫に関してはプロフェッショナルじゃなかった、とかそういうことですね。だから今、社内の仕組みも全部違う会社が提供しいているシステムを使っているんです。業務を回すためには、例えば営業だったら営業、生産だったら生産、各ジャンルの中で1番か2番手にいるシステムベンダーと繋がっていくしかないと思っています。その業務の分断を、なんとかバッチとかAPIとかで全部繋いでいけばいいんですけれど、そもそも違う会社が作った仕様も思考も異なるサービスを無理やり接続しても分断は無くならいし、それを考えるのに非常にコストや手間が掛かってしまって、、、結局バラバラのままで進んでしまう。中小企業で社内の仕組みやフローを変えるというのは、あまりにも手間が掛かるし、ゼロからつくるとなると数千万円単位でコストが掛かるし、現実的ではないですよね。
『コミュニケーション』を軸にすべての仕組みが繋がっている – Zendesk導入の決め手
- そんななか、どうしてZendeskの導入を決めたのですか?
中林様:Zendeskの面白いところはコミュニケーションっていう切り口で包括したサービスを提供しているところですね。通常だったら、CTIとかメール、チャットっていう切り口で特化して分けてしまうんだけど、そうじゃないと。『コミュニケーション』だと。ここで切ったのが、非常に秀逸だと思うんですよね。コミュニケーションを軸に全てのサービスが繋がっているので、メールだけを扱っていて、メール対応に特化している仕組みとは全然違う。もはや別物ですよね・・・。
- 具体的に、それがどう価値に繋がるのでしょうか?
中林様:これも僕が以前からずっと言っていることなんですが、消費者にとってこれからはますます購買に対する境目が無くなると。ECもそうだし、リアルもそうだし。そもそもiPhoneができた時点で境目は無くなっていたはずなんですけれど、その境目をつくっているは誰なんだ?っていったら、実はビジネスをしている人達なんじゃないかと。エンドユーザーはその境目に対してなんの壁も感じていない。リアルだとかバーチャルだとかも関係ない。だから、『スマホで無印良品を探して自分たちの近くの店舗に何があり何が無いか、欲しい商品はあったけれど私が欲しい色は無い。じゃあこの色はネットにしか売ってないからネットで買いましょう。でも、他の欲しいものはすぐに必要だからリアルの店舗で買いましょう。』みたいな。この行動になにか境目のような感覚があるのかっていうと、無いんですよ。だから、コミュニケーションツールっていうのもそうであるべきだと思っていて。メールだろうが、電話だろうが、SNSやチャットだろうが、お客さまが使いたい場所で、使いたいタイミングで、使いたいツールを使って、コミュニケーションをすべきだと。こちらから、電話とメールしか無理ですみたいな対応は、もはや今のやり方じゃないし、かといってチャネルごとにツールを用意するとか面倒なこともやってられないですよね。
Zendeskが標榜する『オムニチャネルコミュニケーション』とは?
辻本:さっき中林さんが仰ったとおり、Zendeskは、『オムニチャネルコミュニケーション』という言葉を掲げているんですけれども、好きなときに好きなチャネルでコミュニケーションを取りたいって、消費者になれば当たり前の話じゃないですか。でも、まだ現実には「クレームが来るから逆にお問い合わせをシャットダウンしたい。」みたいなことを仰る事業者様もいらっしゃるので。。。そうすると結局、消費者から取り残されていくよ、っていうことをもっと広くお伝えしていきたいですよね。そこを理解して、仕組みを用意することが大事かなと。
- なるほど。『オムニチャネルコミュニケーション』は、顧客にとってあたりまえの要求ということですね。
中林様:極端な言い方をすると、Zendeskは僕らを見ていなくて、最初から『エンドユーザー』を見てるんですよね。エンドユーザーの要望に応えることがZendeskの目的であって、エンドユーザーが喜ぶからおのずと事業者から選ばれる。そうなってくると、事業者もお客さましか見なくてよくなる。みんながエンドユーザーだけを見ることで、結果として価値がスムーズに流れていくというのが、僕は魅力的であり理想形だと思っています。 現状こうなっていない多くの仕組みの根本原因は、BtoBtoCで捉えてしまっていることだと思っています。多くのECシステムって事業者ありきで見ていていると最近凄く感じていて、その次がエンドユーザーになっているんじゃないかって思うんですよね。本来、この最初のBより先にCを見るべきなんですよ!そうでないとイノベーションは生まれない。ECシステムベンダーさんって、僕らのことを意識しすぎているんじゃないかなと思うんですよ。僕ら事業者側の声って、99パーセント自分たち事業者側が使いやすい仕様を要求するはずなんです。その思考にお客さまってほとんど抜けちゃっているんですよね。ベンダーは、そのシステムを利用する事業者が使いやすい云々とかではなくて、「こうなれば、その先のお客さまが喜ぶでしょう?」っていう提案を僕らにすべきだと思っています。極論、僕ら事業者から意見なんか聞かなくていい。もちろん事業者側も、こうすればエンドユーザーが楽しくなるとか、もっと買い物しやすくなるっていうことも提案したりするんだけれど、でもそんなものはおそらく1パーセントぐらいで、ほとんどは「自分たちが使いにくいから、使いやすくして。」っていう要望だと思っています。それって、お客さまにとってはまったく関係ないことでしょう? (笑
- 売ることだけを考えてしまって、エンドユーザーをないがしろにしているということですね。またそれが、日本のITの悪き習慣というか。。。
中林様:本当にそう思うし、だからガラパゴス化する。だからって、ガラパゴスが全てダメだっていうわけじゃないんですけど、やっぱり、システムはエンドユーザーを見ていて欲しい。そうなれば、僕らがそれを使ってエンドユーザーに対して何ができるのかっていうことしか考えなくてよくなるから。 多くのシステムベンダーは、効率化をしましょうとか、楽になりますとかって、『事業者側の楽』を提案されるんですけれど、Zendeskはそうではない。『コミュニケーションを円滑にしましょう。』っていうとてもシンプルな提案なんですよね。僕は、そういったところに可能性を感じますし、純粋にいいなと思っています。
Zendeskに期待できることと、今後のEC業界のあるべき姿とは?
- 実際にZendeskを利用されてみて期待通りでしたか?
中林様:まだ本当にやっとスタート地点に立った感じなんで。ぶっちゃけ良い意味でよく分からないです・・・。(笑
辻本:そうですよね、その感覚は正しいと思います。変な話、導入会社から納品してもらったらそれでおしまい、と皆さんに思われることが多いんですけれど、そこってスタート地点だと思うんですよね。 Zendeskって、これから育てていける、拡張性があるというところが重要かなと。例えば、これがSIでつくりこんだものであれば、仰るとおり納品して終わりで無事カットオーバーできましたね。という話になるんですけれど、それだと将来進化するイメージは湧かないですし、時代の変化についていけない。なので、本当に我々もこれからだと思っていますし、継続していろんなご支援ができたらなと思っています。
- 実際、エクレクトさんではどのような支援をされたのですか?
辻本:我々としても、中林さんの冒頭のお話にありましたローカライズ的なところを気に掛けました。もちろんZendeskは、日本語化とか言語の問題はクリアしていたんですけれども、日本特有の各ECモールの対応だとか、自社ECカートの対応であるとか、そういったところはZendesk社からしてみると、よく分からないし注力するポイントでも無いわけですよ。そこを我々がうまく事業者様に合うようにカバーするというところが苦労した点かもしれないですね。
- 日本のEC業界っていうのは割と特有な文化というか、やり方になっているのでしょうか?
中林様:そうですね。特有だと思います。モールも特有だし、自社ECカートも特有だし。結局、そういったECにとってのインフラであるIT全部がガラパゴス化しちゃっているような状態ですよね。そのガラパゴス化することが守備みたいになっているんじゃないかと思っています。そこが僕の中でもちょっとつまんないなと思っているところで。ECってそんな、まだ20年位で守備に入るようなビジネスじゃないと思うし、僕はそうあって欲しいし、そうじゃないと未来のECがつまらないじゃないですか。
辻本:事業者からしても、どんどん新しいITサービスが生まれていく中で、なにに投資をしたら良いのかわからなくなっているという状況もあると思います。とはいえ、これからどんどんEC化が進んでいく中で、ITを最大限活用できないと生き残っていけない。Zendeskのような、拡張性が高く、事業者の成長に合わせて活用できるようなサービスをEC事業者様向けに提供するということでいけば、我々も当事者としての課題意識をもって向き合いたい。ここは中林さんに筆頭になっていただいて、どんどんEC業界でコミュニケーションのオムニチャネル化の推進と、Zendesk だけではなく、『うまくITを活用してお客さまと向き合っていこう』という流れに貢献できたらと思っています。
またZendeskの運用が板についてきた頃、活用状況について改めてインタビューをさせてください。本日はご協力ありがとうございました。
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